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10/06/2013

日本の農村風景 残すべきか否か

小川町まで自転車で行ったのですが、途中の中山間地の農村風景がとても綺麗!

小さな畑に多品目の野菜、田んぼは葉座かけをしているところが多かったです。
こんな田舎で少量多品目、葉座かけをする水田。明らかに自家消費用でしょう。中には出荷していそうな畑や果樹園もありましたが、儲からないだろうなぁ。
作業をしているのはお年寄りばかりでした。


今まで、こういった農村、と言うか農業に対して思っていた私の意見を、久しぶりにちょっと真面目感じで書いてみようと思います。


農地が高く売れる機会を待つ人、先祖代々受け継いだ土地だから守りたいと思う人、手放したいけどどうしようもない人、 色々事情はあるのでしょうが、農業をいやいややるなら辞めてしまえ!補助金に頼り続けなくてはいけない仕事はいらないというのが私の意見です。  先進国において、食糧生産を補助金などで保護するのは当たり前になっているが、その感覚がおかしいと思う。いや、外国ではどう捉えているか分からないが、少なくとも日本人の捉え方には問題がある。「農業は儲からない。だから、農業従事者に補助金を出す。」と言う考えがおかしい。 


大学入試の小論文対策をしていたとき、


「農業をなくしたら、農家の暮らしはどうなる!」「補助金がないとやっていけない産業なんて、必要ない!」


こんな討論をよく担任としていた。別に、担任の意見が農家の暮らしを守るべきという訳ではなく、「大学の農学部は農業従事者のためにあるものであって、そこの先生たちが賛同しやすい主張をしなさい。」という意味であった。勿論、そんな理由で正しくないと思う意見を書くのは嫌だったので、やんわりと避けるような書き方を練習していた。 

 今でもあまりこの意見は変わっていない。農業が国民の生活のために必要だということを国民に納得させ、国民の生活のために農業に税金を使うのなら賛成だ。あたかも所得の低い農業従事者を守るために税金を使うから、いつまでも農家の身分が低いように思われてしまう。 農家自身が農業の必要性を発信することが大切だろう。佐渡島のトキと暮らす郷つくり認証米などのように、生産物自体の価値だけではなく、その生産物を生産する過程が、どのように環境や人の生活に結びつくのかを伝えなくてはいけない。日本は、原生林以外ほとんど、人が手を加えた自然で有り、人の手がないと保つことが出来ない。日本の里地里山の荒廃が進めば、洪水や土砂崩れ、水質汚染にもつながる。ダムや浄化設備を作るより、農業によって今の環境を保つ方が手間もお金もかからない。このような日本の農業・農村の多面的機能の価値は8兆2千億円とも言われている(日本学術学会)。 農業にはこれだけの価値があるのだから、それを正しく伝えればいい。国民の意識が低すぎるのも問題だが、農業を守るべき弱い存在としてしか見ていない国も、JAや国が守ってくれると思い続けている保守的な農家も問題だ。 
 2011年、丁度あの地震があった日、私は山口県の田ノ浦原発を見学していた。田ノ浦は豊かな自然が残っていて、ここに原発を作れば豊富な水資源が失われてしまう。田ノ浦の漁師が獲った魚を買い支える動きが全国に広がっていた。「買い支える」と言う言葉を、当時私はあまりよく思っていなかった。しかし、このように商品を選択することで、国民の政治への意思表示にもなる。さらに、本当に必要な仕事をしていると胸を張って言えるのなら、それを宣伝し、買い支えたいと消費者に思わせるべきだとも考えるようになった。農地の価値はあくまでも概算であって、個々の農家について調べることは難しい。また、消費者によっても、その価値は異なるだろう。 
 個々の農家が自らの活動やその必要性を伝え、消費者がその価値を判断する。それで、消費者に必要と思われず、生き残れなかった農家はなくなればいいし、農地がなくなり洪水が起き、町がなくなっても仕方がない。消費者が正しく判断する知識を持つ、情報の発信や受信ができるようにするなど、課題は多いが、消費者が農業に敬意を持って、その重要度にあった対価を支払う形が理想だと思う。

「外国は農業に補助金をかけ、安く農産物を作るから我が国もそうしなくてはいけない。」なんて言うのは、「外国が核兵器を持ってるからうちも持たなくちゃ」と言うのと変わらないじゃないか。資本主義経済の中で衰退してしまう農業を税金で支えるより、国民からの信頼と敬重によって支えられる方が自然ではないだろうか。天下りや癒着で問題になる企業より、会社イメージを上げることで、売り上げを伸ばそうとする企業の方が良いに決まっている。 


という意見をずっと持っていました。
まぁ、この意見が変わったわけではないのですが、農家がPRすべきことは、環境の維持(洪水防止など)、食文化の伝承、食糧生産の基盤となっている、くらいだと思っていました。「景観維持もよく言われるけど、そんなの後付けでしょ笑」みたいな!

でも、中山間地を自転車で通って意見が180度反転!
「この景観は守りたい!」

別に、「日本は景観を守らなくてはいけない」と言うわけではありません。前述した通り、それを保つために必要なだけの消費者からの理解がなければなくなればいい。農村の景観を守りたいというのは、意見ではなく、願望です。

今後、景観も含めた農業の価値を広めていきたいと思います。


ってことで、何か出来ないですかね?
まぁ農村風景撮ってる写真家は既にいるし・・・
農地で写真撮影の講座やったり、なんか面白いこと出来たらいいですよね。

いや~、やっぱり写真始めたいなぁ~。
フランスから帰ったら一眼買うかなぁ~。


因みに、これはiPhoneで撮りました。手が入っているのは、夕日が逆光になってうまく撮れなかったので、手を庇に使ったからです。


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